虫歯治療
虫歯治療は早めの治療を
おすすめする理由
虫歯は早めの治療・予防が肝心です
虫歯は放置すれば次第に深く進行し、最終的には歯の喪失や全身への悪影響を引き起こす危険性があります。一方で、虫歯の初期段階であれば、比較的簡単な治療で健全な状態に戻すことができます。具体的には、虫歯がエナメル質の表層に留まっていれば、丁寧なセルフケアと薬剤による再石灰化処置で修復できる可能性が高まります。
虫歯は自然に治癒することがほとんどありません。だからこそ、できるだけ早期に発見し、速やかに対処を講じることが不可欠なのです。
虫歯を放置するリスク
初期段階では自覚症状はありませんが、ある程度進行すると冷たいものや甘いものがしみたり、痛みが出たりし始めます。痛みが増した後、神経が死んでしまいいったん痛みはなくなりますが、しばらくすると再び激しい痛みにみまわれ、つらい日常を強いられたうえ抜歯をしなければならなくなることもあります。
虫歯は悪化すればするほど痛みをともない、治療に時間がかかり、費用も増してしまいます。虫歯は早期発見、早期治療が大切です。お口に少しでも違和感があるようでしたら、なるべく早く当院にご相談ください。
歯がしみる原因は知覚過敏の可能性があります
虫歯になっていなくても歯がしみることがあるのをご存知ですか?その原因として考えられるのが「知覚過敏」。知覚過敏とは、歯の表面のエナメル質がなんらかの原因で薄くなり、その下の象牙質が露出して神経へ刺激が伝わりやすくなる症状。わずかな刺激にも過剰反応を起こし、冷たいものがしみるようになります。
エナメル質が薄くなる原因には、強い歯ぎしりや食いしばりのほか、強すぎるブラッシングなどが考えられます。知覚過敏も虫歯と同様に、早期発見、早期治療が大切。「痛い」や「しみる」症状におそわれたら、一度当院までご相談ください。
虫歯の進行度
虫歯は、エナメル質の表面から徐々に内部に向かって進行していきます。初期段階だと、肉眼では歯に大きな穴が開いていると判断できず、痛みや腫れなどの自覚症状もありません。そのため定期的な経過観察と予防処置に注力し、再石灰化を促すことで、健全な歯質の再生を目指します。しかし虫歯が進行して、穴が空くと、再石灰化処置だけでは対応できません。虫歯部分を削り取り、詰め物や被せ物による修復治療を施します。
当院では、患者さんそれぞれの虫歯リスクを見極めたうえで、健康な歯を可能な限り、残すよう尽力してまいります。
- C0
初期虫歯
初期の小さな虫歯です。白っぽく濁って見えることもあります。フッ素塗布などを行い、できるだけ削らずに経過観察を行います。
- C1
エナメル質の虫歯
歯の表面のエナメル質が溶かされ、虫歯が少しずつ進行している状態です。
虫歯を正確に削り取り、詰め物をするケースがほとんどです。 - C2
象牙質の虫歯
象牙質にまで細菌が進行している状態です。象牙質は神経に近く、食べ物や飲み物の温度が刺激となり、知覚過敏として歯がしみるようになります。
- C3
神経付近に及ぶ虫歯
歯の神経が虫歯菌に感染し、強い痛みが発生します。歯根や先端に膿が溜まり、口臭ひどくなります。根管治療から補綴治療を行うのが基本です。
- C4
重度虫歯
歯の大部分が失われている状態です。根の先端に膿が溜まっていると、顎の骨や周囲の歯に悪影響を及ぼすようになり非常に危険です。
当院の虫歯治療
詰め物・被せ物の治療
(補綴治療)
虫歯の初期段階であれば、虫歯部分を小さく削り取ったうえで、その空洞に詰め物を詰めて元の形状に近づけます。
一方、虫歯がかなり進行して大きな空洞が開いてしまった場合は、詰め物だけでは十分な強度が得られません。そのような場合は、歯を大きく削り、上から「被せ物(クラウン)」を被せる治療が必要です。
根管治療
虫歯が進行して歯の神経(歯髄)まで達してしまうと、最終的に歯を失う危険性がでてきます。なぜなら神経が通っている歯根は歯全体を支える重要な部位だからです。歯を抜かないようにするためには根管治療が不可欠となります。
根管治療は、感染した歯髄を除去し、歯の内部(根管)を徹底的に消毒・清掃したうえで、最後に根管を詰めて密閉する作業から成ります。根管治療を確実に行うことで、歯の喪失を防ぎ、長期間にわたって歯を残すことができるのです。
虫歯予防
虫歯は初期段階からしっかりと予防対策を講じることが大切です。
具体的には、日々の歯磨きやフロスなどによる口腔ケアに加え、定期検診を必ず受けていただくことで、虫歯のリスクを最小限に抑えられます。
当院では、定期検診時に注意深く検査を行い、初期虫歯を見逃さないよう徹底しております。
根管治療について
根管治療の目的
根管治療は、歯の根っこの治療と呼ぶこともあります。虫歯や外傷などにより歯髄に感染が起こった際に行う治療です。根管内部にある歯髄(神経や血管を含む結合組織)および感染した組織を取り除くことで、ご自身の歯を長期間にわたり残すことができます。
根管治療をすすめるケース
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歯の神経まで虫歯に感染されたとき
虫歯が進行し、歯の内部の神経にまで感染が及ぶと、激しい痛みを引き起こし、最悪の場合は歯を失うリスクもあります。このようなケースでは、神経を取り除き、炎症を収める必要があります。
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虫歯菌が再感染したとき
過去に根管治療を受けた歯でも、何らかの原因で再び感染が起こることがあります。その場合、歯根の先端に膿がたまり、周囲の骨や組織を溶かしてしまう恐れがあります。再感染した場合は、改めて根管治療を行う必要があります。
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歯の神経が露出したとき
事故や強い衝撃などで歯が欠けたり、ひびが入ったりして神経が露出すると、細菌に汚染されてしまいます。露出した神経を除去しなければ、炎症や感染症を引き起こしてしまいます。
根管治療の流れ
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Flow01患部の拡大
虫歯になった部分を削り取り、虫歯を取り除きます。このとき、歯の神経(歯髄)がある根管の入り口を見つけます。根管の入り口をはっきりと見える状態にすれば、次の段階で根管内の感染した神経を的確に取り除くことができます。
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Flow02根管内部を清掃
リーマーやファイルと呼ばれる専用の器具を使い、根管内部の感染した組織や細菌を取り除きます。同時に、根管を適切な形に整えるのが基本的な流れです。慎重に処置を進め、感染物質を残さないようにします。
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Flow03洗浄・殺菌
根管内部をファイルで整形した後は、薬剤を用いて徹底的に洗浄・殺菌します。洗浄液を根管内に流し込み、細菌や感染物質を洗い流します。再感染のリスクを最小限に抑えるため、入念な洗浄が求められます。
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Flow04根管の充填・封鎖
洗浄・殺菌が終わったら、根管内部の空洞を特殊な材料で埋めていきます。この工程を根管充填と言います。隙間なく根管を埋め、細菌の侵入や増殖を防ぐことが目的です。その後、根管の封鎖を確認し、詰め物や被せ物の土台となる支台(コア)を作製します。
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Flow05被せ物の装着
最後に、歯の外側を覆う被せ物(クラウンなど)を装着します。被せ物は、歯の内部に細菌が入り込まないよう、歯との適合性を重視します。装着後、噛み合わせを調整して治療は終了です。
虫歯が重症化する前に
予防を
虫歯が重症化すればするほど、根管治療などの大掛かりな処置が必要となり、費用と治療期間もそれだけ長くなってしまいます。しかし、適切な予防措置を講じることで、虫歯の発症や進行をコントロールすることができます。
病気が進行するのを抑制するために日々の“予防”に力を入れていきましょう。
当院ではセルフケアへのアドバイスなど予防歯科にも力を入れています。